美術鑑賞会報告 上野の杜で「クロード・モネ」を… 【実施報告】

Posted by on 11月 27, 2023 in 新着情報
美術鑑賞会報告 上野の杜で「クロード・モネ」を… 【実施報告】

久しぶりに上野の杜で絵画を楽しみました。
当日は、晩秋というより初冬のような寒空でしたが、会場周辺は、当日入場券を求める人、グッズを買い求める人たちで長蛇の列ができ、クロード・モネの人気の高さを改めて感じました。
今回の「クロード・モネ」展は、国内のみならず海外からも集められたモネ代表作品が一堂に会した贅沢な展示で、「展示作品がすべてモネ」という特別企画で、日本初公開の作品も含まれているそうです。
参加者全員が集合した後、美術鑑賞会担当の柏原さんから今回の「クロード・モネ展」について丁寧な解説をうけました。

今回の展覧会は……
① 「印象派以前のモネ」
大作「昼食」や「ルーヴェ河岸」などの風景画の初期作品(その画風は者術的手法)
② 印象派の画家、モネ
1870年代から80年代にかけて、セーヌ川流域を拠点に「モネのアトリエ舟」「ヴェトゥイュの教会」など印象派初期の作品
③ テーマへの集中
同じ場所を何度も訪れ、季節や天候、時刻に変化する対象を描いた。ラ・マンヌポルトを時刻の変化で捉えている
④ 連作の画家モネ
1890年から翌年にかけ好評を博した連作「積わら」は季節の変化を表現した作品で、そのほか様々なテーマの作品を展示
⑤ 「水連」とジヴェルニーの庭
モネといえば水連、晩年は睡蓮の大作を数多く描き、日本とのかかわりも深く、モネの愛した庭の様々な情景を紹介
以上の五つの部門で構成されているそうです。
(美術鑑賞会担当・柏原さんの資料より)
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さて、照明を落とした仄暗い会場に足を踏み入れた途端、ぽっと作品が浮き上がってくるように観る人に迫ってきます。構図がどうの、タッチがどうの、ということよりも、兎に角たくさんの色の世界に包まれたひとときを無心で味わうことができました。
印象派を代表するクロード・モネは自然の光と色彩に対する並外れた感覚を持ち、柔らかい色使いと温かい光の表現を得意とし、自然の息遣いが感じられる作品を残しました。同じテーマを、異なる天候、異なる時間、異なる季節を通してその表情や、時の移ろいを描いた「連作」はモネの作品を代表するものです。その連作の代表作「積わら」「水連」が展示されていました。今回日本初公開の作品もあり期待が膨らみました。
私たち日本人がこれほどモネに惹かれるのは、おそらくモネが描く淡く柔らかい「仄かな」光と色彩が、岩絵の具で描かれる「日本画」の淡く、細やかな描かれ方と何か共通する点にあるのではないかなと感じました。点描で描かれた繊細な日本画と相通じるモノがモネの作品の中にあるのかも知れません。
数多くの作品が展示されていた今回の会場は、思いの外狭い会場だったので、大勢の人の頭越しからの美術鑑賞でした。もう少し広々とした展示会場だったら、ゆったりとした贅沢な鑑賞ができたのに、と。それがとても残念でした。
クロード・モネの作品を堪能した後は、公園内のカフェで、参加者の皆さんと話の花をいっぱい咲かせ、楽しいひと時を過ごしました。また皆さんと、上野の杜で美術鑑賞を楽しみたいと思います。2023/11/15

(村越満知子 1974年法学部卒 記)