第35回美術鑑賞会・「メトロポリタン美術館展」【実施報告】

Posted by on 5月 9, 2022 in 新着情報
第35回美術鑑賞会・「メトロポリタン美術館展」【実施報告】

昨年、コロナ規制の合間をぬって、4月20に汐留にあるパナソニック美術館で「クールベと海・展」を鑑賞しました。

そして、今年に入って3月21日にまん延防止措置が解除され、奇しくも同じ4月20日に、六本木の国立新美術館で「メトロポリタン美術館展」を鑑賞してきました。掛け値なしの1年ぶりです。

当日は曇り時々小雨といった天候でしたが、美術好きが9人集まり、まずは再会を喜び合い、入館前恒例の柏原顧問のレクチュアを聴きました。柏原さん作成のレジュメによると「1870年創設のメトロポリタン美術館は、NYセントラルパーク東側にあり、敷地20万平米と世界最大の広さと、先史時代から現代まで5000年の文化遺産200万点を所蔵、年間入場者500万人を超える名実ともに世界最大級の美術館です。この美術館は『Met』と世界の人々から親しみをもって呼ばれています」と紹介されています。今回は15世紀から19世紀までの秀作65点が展示され、うち46点はわが国では初公開です。そのあと参加者の集合写真を撮り、いよいよ入場です。

「密」を回避するため、チケットは30分刻みで発券されており、我々は午後1時30分に展示室に入りました。展示室は時代順に3つのゾーンに区切られており、全体を通して西欧美術史を学ぶといった感じ。最初のゾーンは「信仰とルネサンス」と題され、15世紀初旬の宗教画で始まる。キリストや聖母子といったテーマが多く、西欧美術の原点を見ているよう。15~16世紀に入るといよいよルネサンスの最盛期。人物の表情が明るくなる中で、エル・グレコの「羊飼いの礼拝」が異彩を放つ。
2番目のゾーンは「絶対主義と啓蒙主義の時代」である。この時期、ルネサンスの影響が色濃く残るマニエリズムから脱却し、バロックの確立に貢献したのが、ガラヴァッジョである。今回は「音楽家たち」を見ることができた。他の作者でも「ギターを弾く女性」、「テラスの陽気な集い」、「シャボン玉」など微笑ましい作品が多い。この後、ルイ14世の死後宮廷文化がより享楽性を増しロココの時代となった。
3番目のゾーンは「革命と人々のための芸術」である。昨年見たクールベの作品が「漁船」、「水浴する若い女性」と並んでいた。彼はパリ・コミューン参加するなど、社会に目を向けた写実派の代表でもあった。さてクライマックスが近づいてきました。日本人が愛してやまない印象派、ポスト印象派の出番です。印象派ではコロー、マネ、モネ、ドガなど、ポスト印象派ではゴーギャン、ゴッホ、セザンヌなどそうそうたる画家の作品が並べられていました。そして65番目を飾ったのは、モネの「睡蓮」でした。

3時を過ぎたあたりから、見終えた参加者が、三々五々集合場所の喫茶コーナーに集まってきました。久しぶりということもあり、皆さん話し込んで気が付くと5時前後で、本日の余韻を楽しみながら解散しました。

(神内一憲 S47年商卒)