第31回美術鑑賞会 「岸田劉生展」 【実施報告】

Posted by on 11月 11, 2019 in 新着情報
 第31回美術鑑賞会 「岸田劉生展」 【実施報告】

109日(水)、31回目を迎えた美術館鑑賞会に、男性5人・女性5人計10人の美術好きが東京ステーションギャラリーに集まりました。台風接近が報じられ、皆さんも直近で15号を経験したばかりでしたが、当日は「嵐の前」という感じで、穏やかな好天でした。

 今回は、東京ステーションギャラリーが自ら主宰する、没後90周年記念「岸田劉生展」です。作品は特別協力の国立近代美術館をはじめ、個人所蔵も含め全国の美術館から150点超の作品が展示されていました。

 感想ですが、岸田劉生は38年の短い生涯でしたが、結構多作でかつ、年代により作品の傾向が転変しています。最初は黒田清輝に師事し外光派でしたが、徐々に師から離れ、ゴッホやゴーギャンなどの後期印象派の画風に傾いていきます。これは「第二の誕生」と呼ばれています。しかし初期から常に自己の価値判断によって歩む道を決めてきた彼は、数多くの自画像、友人知人の肖像画を画くうちに、そのスタイルは「写実性」を増していきました。この間、風景画や静物画も手掛けています。よく出てくるのはリンゴと冬瓜です。また愛娘「麗子」の成長を追った作品は、劉生画風の変遷をよく物語っているようです。「麗子微笑」と風景画「切通しの写生」は重要文化財です。一時京都に住んだ頃、日本画にも傾倒。変化を恐れない、価値判断の転変を示すものと言えるでしょう。これらの作品が時代順に展示され、平日の昼下がりにもかかわらず、来場者は引きも切らず終始にぎわっていました。

 鑑賞を終えた後は、いつものようにブレークタイム。中央郵便局の1階の喫茶展は満員、仕方なくビアレストランへ、男性は全員ビール、女性はソフトドリンクでのどを潤しました。

 

 

 さて、一息入れたあとおまけがありました。近くの丸ビルの外構部に「ラグヒー神社」(8/20~11/2)が設置されていました。このラグビー神社は、京都下賀茂神社の境内にあるラグビーとゆかりの深い「雑太社(さわたしゃ)」の「神魂命」を祭っています。神社の横には、手にラグビーボールを持った栃ノ心の像と、チコちゃんもいて、多くの人が記念写真を撮っていました。(K.J)